Thursday 23 October 2003

mogwai at astoria

mogwaiastoria.jpg
もう。写真なんてどうでもよくなってしまった......。「音」にはかなわない。

LondonのTottehnaham Cort Road周辺。Astoriaにて。夜もふけて。オレンジの光に包まれたライブハウス横の細いレンガ通りに、ライブを待つお客さんが並ぶ。こっちのライブは。整理番号などなく、つまり、買った時のタイミングは関係ない。当日早く並んだ人に均等にチャンスが与えられている。私達は。早くもなく、遅くもなく。少し寒かったので、ニットの帽子をかぶった人達がたくさんで、雰囲気がよかった。落ち着いているようで、オシャレな人が多いような、思ったよりも低年齢の人達も。

これが噂の。Radioheadも初期の頃やってたAstoriaの中身か。と。印象は。黒かった。なんとなく。イスのないパブのような。そしてそこにステージがあるような。早く並んだ人達は、みんな2階に行った様子。2階はパブみたいに、テーブルとイスがあり、まるっきりくつろいで見る事ができるらしい。そんな感じで。私達は、1階立見席の前から2列目だった。さらに。私の小ささを見て、やさしいお姉さんが私を1番前にしてくれた。Mogwaiのライブを1番前で待っている。すごい事だと思った。気がつくと、後ろのほうまでけっこういっぱいになっていた。

彼らのライブ。まさに音の波。空間が音で満たされてしまう。圧迫感があるわけじゃない。だけど壮大で。身をゆだねるしかない。というか。ただただそこに立ち尽くし、全身で音を感じて受け止める事しかできない。Martinのドラム。ハットの微妙なOpenを使っての「シャ----」という音が。あまりに繊細で美しかった。

この時ふと思い出した感覚があった。バンドを組んでいた大学の頃、初めてバンドで演奏した時思った事。「今、私が叩くドラムと、周りの人の演奏によって曲が存在している。もし私が演奏をやめたら、曲は止まってしまう」って。そう。音ってこういう事。音源で何度も聞けるかもしれないけど。それは少し違う。展示会で絵や写真を見る時。また戻りたかったら何度でも、いつまでも見れる。でも。ライブって。さっきの所がもう一度聞きたいって思ってもそれは無理。音は。生もの。瞬間の魂みたいのが宿る。その存在の尊さに打ちひしがれそうな程感動した。

終わった後。客電が着くと。床がびっしょりな事に気がついた。みんなビールなどを落としすぎるんだ。そして。缶とペットボトルと、プラスチックコップが散らばり、ふんずけるバリバリという音。こっちのライブハウスやコンサート会場って。大体の所が、帰り際は非常口を開けてくれて、入り口を通さず、外直通通路がある。日本にもこんなのあったっけ?すごく便利だけど。今日はクロークに荷物を預けちゃったから、その通路からは帰れず、長蛇の列に並んだ。

Sunday 12 October 2003

Abby Road

St John's Woodに行った。世界一有名な横断歩道、Abbey Roadがある街。The Beatlesが4人で並んで写真を撮った所。レッチリがNaked+靴下で写真を撮った所。私、Abbey Roadには、5年前の卒業旅行で張り切って出かけた経験がある。で、もちろん道路標識で記念写真を撮り、横断歩道を歩いた写真も撮ってもらった。今日も。そういう人達がたくさん。ぞろぞろぞろぞろ。次々次々。楽しそうに横断歩道を渡る。親子で来ている人、カップル、いかにもその時代の音楽好きですって風貌の人、たくさんの日本人。正装した4人+カメラマンの5人組で、ビデオと三脚を持ち「撮影」をしようとしてる人まで。道路プレートの横に、ベンチなんても置いてあって。こういうさりげない配慮が好き。

こういう風景を、今回は少しおだやかな気持ちで見てて。Beatlesって本当にすごいな。ってしみじみ思った。だって、30年もたった今もなお、こうやってたくさんの人達に、ささやかな楽しみを与え続けている。直接的ではないにしても、彼らが会話の話題となり、旅行の楽しさを与え、何よりワクワク感を与えてる。

5年前に来た時は、落書きだらけだった道路プレート。今日見たのは、新しく変わっていた。そして、もう1つ気がついた事が..。Londonでは。横断歩道の横に、黄色いランプが点滅している所は「歩行者優先」となる交通ルールがある。その横断歩道に人がいれば、車は止まらなくちゃいけない。Londonの人は、なかなかこういうルールはきちんと守るので、黄色ランプの横断歩道は、青信号みたいなもの。で。実は。Abbey Roadの横断歩道も、この黄色ランプ横断歩道だった。だから、人々が横断歩道を渡っていると、車は止まってくれるルール。なーんだ.....。私、5年前は「ここはAbbey Roadなので、Londonの方達は、観光客が何をここでしたいのかを理解し、慣れているため、横断歩道を歩いている写真を撮ろうとしている人がいたら、親切に止まってくれるんだ。わーい。あの車、私のために止まってくれた!」って思ってた。なーんだ。単なる交通ルールだったのか。あの時は。観光客のお客様特別扱い気分の考え方だっただけか..。

Busを待つ間、交通量&人口量のあまり激しくない夜のAbbey Roadを自分勝手に遊びまわっといた。