Friday 11 November 2005

explosions in the sky at garage

ex12-1.jpg
ex14-1.jpg
20代最後の3日間。怒濤のライブラッシュ最終日。explosions in the skyのライブ2日目。今日は彼らがヘッドライン。ものすごく目の前で、彼らの音に包まれ、彼らの姿を見ている最中。自分の体が何か、音楽を聴く事によって浄化されていくのがわかった。琴線が脈打ってる。音の中に存在するというその事自体、壮大な出来事なような気がした。

彼らのライブ中、ムクムク感じたのは。「音楽」っていうひとつの可能性が世の中には存在して。その存在は、それを操る人の能力によって、可能性はどんどん活かされていくのだ....。と。うまく言えないけど、珈琲の粉を入れたフィルターにお湯を注ぐと、フィルターの下には珈琲が出来るのと同じような具合に(ちょっと違うか?)。才能や能力がある人たちっていうフィルターを通された「音楽」っていう可能性は、はてしなく宇宙的な存在にまでされてしまうんだ....。わたしがやりたいと思ってる「美しい」ものに焦点をあてたいと思ってることって。「美しい」が「好き」だからじゃなくて「信じている」からなんだな....。とか。そんなことを突然感じたり。好きな音楽を聴く事。感じる事。ライブを見る事。この行為は、わたしにとってコアブースターだな....。と改めて思った。そして。やっぱり。ミュージシャンのことは。世の中で一番尊敬してしまう。


all tomorrow's parties presents. 家からバスに乗って10分くらいで着く、highburyにある" garage"。小さいライブハウス。集まるお客さんも、どっかカジュアル。積極的にぐいぐい進んで、一番前の隅っこを確保。ここ。ステージ角と壁に阻まれた死角。ぽっこり三角コーナーみたいな場所で、とても狭いのだが、他の人が入って来れない分、誰にも邪魔されず鑑賞できる。さいっこうな場所。小さくてよかった(たまには)。

前座の手作りクラフト系のバンド(紅一点の女の子の静かで強い目線が印象的で。わりかしよかった)が終わり。彼らが登場。っていうか。まるで学祭のステージ準備をみているかのような近さ。というか。学祭ですら、こんなに近くないよ....。自分たちで準備するこの感覚。近さ。ライブでたたき上げているバンド。っていう雰囲気がする。ファンの若い男の子たちが、必死で話しかけたりしてる。そうすると彼らは、準備しながら答えてくれる。好きだなー。こういうの。ベードラに2本のガムテープが貼ってあるとか。シンバルはジルジャンだとか。マーシャルのアンプのつまみの文字まで....。ほんと。近いというのは、それだけで感動する。

小さな箱の中。小さなステージで。音の反響具合も、その小ささを反映した「生」な音。テキサスはオースティンから来てくれた彼らをじーっと見つめる。みんな、携帯カメラを片手に、必死で写真撮ったり(禁じられてないから)。でも、これだけ近くで、かぶりつかれるように見られてたら、演奏しづらいんじゃないかと思うんだけど...。きっと彼らは演奏中、とにかく曲の中に入ってる感じがするし。大丈夫なんだろう。それか。こういうファンの気持ちがよくわかるのだろう。

昨日も見た若い感じの男の子が、今日も一番前にいて。真剣な目でmanufやmarkのギターのコードや指使いを、必死に身を乗り出して見つめている。純粋な音楽っ子を育てるようなバンドなのよね。きっと若い男の子たちにとったらヒーローなんだろうな。ロンドンで見かけるティーンって。ほとんどが本当に恐いんだけど。ライブ会場で見かけるティーンの子たちはいいな。純粋っていうか。そんな男の子たちが、ライブ中に目をつぶって、彼らの奏でる美しい音にノリ、顔をふるような姿は、美しい。メンバーの顔からしたたる汗がいっぱい見える。ギターに落ちたりしているけれど。大丈夫なのかな....。感電しないでね。とか思うほど。近い。アンプの音を消し、手元でチューニングしている時でさえ、その生の弦の音が聞こえてしまうくらい近くにいる。

Thursday 10 November 2005

four tet + explosions in the sky

昨日のSigur Rosに続き。20代最後の3日間。怒濤のライブ三昧。2日目の今日は。Four Tet + 前座のexplosions in the sky.

私としては。メインがexplosionsで、Four Tetも一緒だからもうけ!って具合なのだが。eat your own ears presents なライブです。ロンドンの西の方、 hammersmiths まで1時間くらいバスに乗り、ロンドンの西の雰囲気を久しぶりに堪能しつつ会場へ向かう。会場や人々の雰囲気は。昨日のSigur Rosにくらべて「クラブ」感がたっぷり漂う。開場して30分くらいたってたが、みんなの目的 ’Four Tet’ まで、 explosionsを含め3つも前座があるおかげか。ステージ周辺は若干まだスペースがあった。なので。ステージの左隅、一番前列に陣取った。ひゃっほー!長丁場だが頑張ろう。結局、今日はこの場に6時間も立ち続けた。

前座の1バンド+1DJが終わった後。いよいよ真打、explosions in the sky!! と、このとき。ローディーの中に女の子が1人いて、その子が働く姿がかっこよかった。で。きゃー!!近い。explosions の manuf です!彼のギターはシャイニングな水色のストラトだった。きゃー!大好きドラマーの chris です!スティックが何十種類も入ったスティックケースまで見えた。きゃー!michel がエフェクターをいくつもつなげ準備したりしてる、その姿まで見える。テキサスはオースティンから運んで来たのだろう、飛行機のタグとかがついたままのトランクが目の前に。きゃ−!mark のくつが new balance だ。とか、そんな、足下まで見える!きのうの Sigur Ros のリベンジ!ってな勢いでよく見える。ドキドキしながら彼らの準備してる姿を見つめた。(ミーハー)

はじめてのライブ。こ、こんなにも迫力があるものだとは思わなかった.....。彼らの全神経を、音に、楽器にゆだねて演奏している。すごい。エモーショナル。最初の一音。the earth is not a cold dead place の your hand is mine のギター.....。震えてしまった。美しすぎる。そこに音が存在する。彼らが演奏してくれている。その事実の壮大さみたいのに圧倒されてしまった。CDで聞いてた音が。ひとつひとつの音の要素が。どうやって生まれて来ているのかを感じた。彼らの指の動きひとつひとつまで見えたから。感動してしまった。音そのものが感情を持っているかのように、生きている。ソフトなシンバルの音。体の芯に響くベードラの音。同じ楽器を使ってここまで自由自在に音を変化させている ....。音の事を知り尽くしている感じ。信じられないくらいクリアに伸びるギターの音。確実に深さを与えてるベースの音 ....。

mark が出していた delay のエフェクターを通したギターの音。でも。遅らされる前、彼が弦を弾く所が見えたから、その時差を感じたわけだけど。 michel のベースは、その遅らされた音に合わさってて。お互い、なんの合図もしていないのに、時差もふまえての完璧なタイミングで曲の要素が創りだされている。そうやって生まれた音に私は包まれる。うーん、この説明あまりうまくないけど。妙に感動した場面だった。彼らの音楽のすばらしさって。やっぱりそれは、全ての音が、ギター、ベース、ドラムという楽器から生まれている事だと思う。エレクトロニカみたいな浮遊感あふれる音なのに。それらは全部人の温度が創った音。だからこんなに心に、エモーショナルに響く。そしてエモーショナルに浮遊する事を許してくれるというか、許容してくれる音。こんな風に生み出されてたんだ .....。ほぼ毎日。休みなくこれだけのエネルギーを使ったライブをやってくれている彼ら。その愛情と情熱の強さに。何かを創りだすという仕事に携わってる身として。尊敬と感動を抱いた。彼らの情熱とインスピレーションがある限り、ずっとずっと続けて欲しいと思った。

ふぅ。いまだ explosions の生演奏の音の渦の中にいるような気がしている中。今日の本当の真打、ラップトップな Four Tet のライブが始まり。かなりなナイスガイで、ピンクのナイキのスニーカーとかかっこよかったのだけど。うーん。でもやっぱり、explosions の迫力の後ではノリきれない....ごめん、Four Tet ....と思ってたのだが。Joyが演奏されたあたりから。照明の具合もクラブのようになってきて。気がついたら、めちゃめちゃ踊りまくってしまった。ふー。久しぶりに踊った。なんつうか。Four Tet はホント、ナイスガイだった。

で。終わったのは1時近く。プラスチックコップなどが転がりに転がった会場を、バキバキ言わせながらみんなで出口へ移動したのでした。会場の出口に向かおうとしたら。ツアーグッズ売り場に explosions の mark と chiris が!!!!! CD などを買った若者な男の子たちが、サインをねだったりしてる。そして、そんな男の子たちがデジカメで一緒に写真撮ってもらったり。こうやって、ファンに直接触れ合ってるやさしさがよいなー。しかも。サインをねだったりしてる人たちが「男の子」だって。それがまたかわいい。で。わたしも。幻のデビューアルバムの再発 CD と Tシャツを買い。 michel と chris にサインしてもらっちゃいました!!!声をかけられずに、もじもじしてたら、 chris がわたしに気がついてくれて、サインをくれたのでした。わーい!「本当に explosions が好きです」。と言ったら。michel が胸を押さえて「thank you」と言ってくれた。きゃー!!胸いっぱい。

Wednesday 9 November 2005

sigur ros at brixton

sr1.jpg.400px.jpg
2回のアンコールの後。いつもどおり、メンバー全員が挨拶して。永遠に続く美しい拍手喝采だった。そして。スクリーンに映し出される、TAKK.....。すばらしかった。そのひとつひとつの楽器から生み出される音が、確実にクリアにひとつひとつの要素となり、曲という存在の壮大なスケールの流れにまきこまれいる....。すごい。幸せというか、わたし的には、もう意味不明です。音を奏でる。という行為は本当に「ライブ」なものであるわけで。その瞬間だけ、そうやって重なり奏でられる存在で。だけど、このライブは、音だけではなく、目に見えるスクリーンに映し出される映像すらも「ライブ」なものだった。その瞬間だけに創られ、消えていくもの。すべての事柄が。現在進行形で創られているステージ。そういった中で、音を聞き。感じ...。目で見て。感じ...。なんだか、はてしない巨大な感動の中に包まれた。とり肌とかではすまない感じで。体の細胞が開いているのを感じる。そこから感動が解放されていく。

=
満員御礼。Sold Outの会場。会場をぐるーっと。いくつも角を曲がり、ようやく列の最後尾についた。すごい列。あぁ...。ステージ見えないなこりゃ.....。で。Sigur Rosライブ用ツアーでもあるのか?大型バスが止まっていた。列にならぶ人々の雰囲気が。そこからもうSigur Rosな感じ。言葉でうまく言えないけれど。Sigur Rosの音楽を好きな人たち。という空気が妖精的にただよっている。時に。アイスランド語が聞こえてきたりも。そのやわらかな、あたたかい、独特の雰囲気に包まれている間、まるでアイスランドにトリップしたような気すらした。幸せだ.....。

アイスランドからやってきた、アイスランド的ハンドクラフトな雰囲気の、手作りTシャツを売ってたり。寒い国独特のあたたかさが、そこここに散らばっている。チリチリしたぬくもり。もうすでに、aminaのライブははじまっていた。いつもSigur Rosのバックを彩るカルテット。だいたいいつも前座もつとめてる。で。はぁ.....。進めるだけ進んでみた。が。真ん中が限界だった。そして。見えない。いつもより、人々の背がさらに高い気がする....。「音」を優先して、ひとまずセンターな場所に陣取る。が。どうか、どうか、全く見えないという状況にだけはなりませんように.....。結局最後まで。背の低さゆえに、悲しい思いをするはめになった。

はじめ。ステージの前にスクリーンがあって。そのまま始まった。そしてバックから透ける光によって映し出されるシルエット。光により幻想的に映し出された姿.....。あぁ....。なんて優雅な。なんて美しい...。Jonsiの弓でレスポールを弾く姿.....。それぞれの巨大なシルエットがゆらめいて。TAKKのintroからGlosolioへの流れ。美しい。まだライブを見るのは2回目だけれど。Sigur RosのライブはCDとはまるで違う。やっ。正確に言うと。ものすごいクオリティーでCDの音を完全再現しているわけなので、CDと違う。というのは間違ってるかもしれない。でも。そのステージが生み出す魔法のようなものによって、CDには含まれていない、もっと大事な、すごいものが立ち上り、特別な存在を創り上げる。密度が違う。生命が与えられてる。

だから。CDで聞いて、うーん....と思う人も、ライブを見ると、それなりに弾き込まれてれてしまうと思うのです。というか逆に、ライブを見せてあげたいと思う。CDで聞く8分は長くても。ライブで聞くと、全ての瞬間がいともなめらかに流れていってしまう。というか。終わって欲しくないもの。それに包まれているその瞬間達が。Aminaのカルテットのほかに。9人のホーン隊がバックにならぶ。もはや。Sigur Rosオーケストラ。それぞれの人々は、曲ごとにあちこちに移動する。なので、ライブ後に自分で曲を聴いたりすると、それぞれの曲が、それぞれのシーンを思い描かせる。個人的には。どうしても、Jonsiが優雅なクリーム色のレスポールを弓で弾き唄う姿と、ピアノを弾きながら唄う姿に目が釘付けになってしまう。1曲1回じゃ足りない感じ...。もっといろいろを見たい。あと、Orriがドラムではなく鉄琴をJonsiと共に弾くシーンが好き。鉄琴のキラキラした音と、かれらの魔法みたいに動く腕と(かすかに見える)、バックに映るキラキラの映像と...。

Orriのドラムは本当にすごい。このドラムのすごさは、どう伝えたらいいのだろう。ものすごく繊細な小さな音も、心臓に響くような迫力のある音も。どういう場合にもとにかく深い。そして強い。伝わってくるです。ドラムの存在って。その曲をつかさどる、心臓だと思うのです。血の流れを躍動させるもの。だから、その曲が活きるかどうかは、ドラマーの心臓(heart)次第だと思うのです。Orriのドラムは。まさにSigur Rosの心臓だと思う。ライブの終わりごろ。アンコールのころにも、ステージの前にスクリーンが下りてきて、またシルエットが映し出される。だけれど、始まりと違うのは、ライトがダイナミックに動くため、映し出される映像はよりダイナミックで。幾重にも重なり動く。怒濤のクライマックスだった。