Wednesday 15 September 2010

a few things that i think about photography...

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たとえば、自分の写真集「wonder Iceland」の前半部分、冬の情景を見ていると、まるでウソみたいに感じる事がある。今は夏だからって理由だけじゃなく、本当の記憶なのか、夢の記憶なのか...。そんな感じ。けど。それはまぎれもなく自分がいた状況で、たねもしかけもなく、普通の露出で、カチャっと光を取り込み、普通に焼きつけただけの、ド・ストレート写真。ルポルタージュ。

絵みたいに仕上がるのは、無意識の中に起こってる故意なんだと思う。フィルムに写った光の画を、印画紙にそのまんま再現しただけの、ド・ストレートなプリントのつもりなんだけど、幾重もの段階で、自分の感受性が勝手にフィルターとなってるんだと思う。でも、よく考えると。写真を撮るほどの状況って、これ本当なの?夢?現実?妄想?幻想?みたいにわけわからない状況に吸い込まれてる感覚のときばかりだから、出来上がった写真をウソみたいに感じるのは適切な出来事なのかもしれない。もしくは。近年、もう自分の世界観が変わってしまって、wonder Icelandの時みたいな写真はもう撮らない。もしくは撮れない。そのせいで、余計に夢みたいに思うのか....。

そう考えると。写真って本当に、その時空、その環境、そのタイミングでしか成し得ない、光の取り込みなんだ...と実感する。その魔法みたいな科学で取り込まれた光は、二次元のシートになって別の生き方をし始める。写真って不思議....。不思議だけど、すごい科学的だって知ってる。それは、妖精事典とか読んでいる時に、妙に冷静に納得させられちゃう感覚と似てる。幻想って現実の不思議の中で生まれたんだなーとか、自然科学すぎる出来事ってわけわからなくれ不思議な気分になっちゃうよー。とか。話がずれてきたけど....
ただ、わたしの写真を見てくださる人々もそんな風に、
本当だった世界が取り込まれた光の画で、
幻想的にトリッキーに
感じてしまうみたいなきっかけを届けたい.... というか、そういうことが出来るパワーを持った写真を創りたい。

なんでこんなことをたくさん思ったんだろう。きっと、2004ー2006にロンドンで一生懸命撮りためた写真を、2010年の今、ネガを取りだし、暗室で焼き、額装し、展示に備えている。そこに「その時の自分」と「今の自分」の掛け合いを感じて、写真がもたらす時空、みたいのを感じたことがきっかけに違いない。

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