Wednesday 9 November 2005

sigur ros at brixton

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2回のアンコールの後。いつもどおり、メンバー全員が挨拶して。永遠に続く美しい拍手喝采だった。そして。スクリーンに映し出される、TAKK.....。すばらしかった。そのひとつひとつの楽器から生み出される音が、確実にクリアにひとつひとつの要素となり、曲という存在の壮大なスケールの流れにまきこまれいる....。すごい。幸せというか、わたし的には、もう意味不明です。音を奏でる。という行為は本当に「ライブ」なものであるわけで。その瞬間だけ、そうやって重なり奏でられる存在で。だけど、このライブは、音だけではなく、目に見えるスクリーンに映し出される映像すらも「ライブ」なものだった。その瞬間だけに創られ、消えていくもの。すべての事柄が。現在進行形で創られているステージ。そういった中で、音を聞き。感じ...。目で見て。感じ...。なんだか、はてしない巨大な感動の中に包まれた。とり肌とかではすまない感じで。体の細胞が開いているのを感じる。そこから感動が解放されていく。

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満員御礼。Sold Outの会場。会場をぐるーっと。いくつも角を曲がり、ようやく列の最後尾についた。すごい列。あぁ...。ステージ見えないなこりゃ.....。で。Sigur Rosライブ用ツアーでもあるのか?大型バスが止まっていた。列にならぶ人々の雰囲気が。そこからもうSigur Rosな感じ。言葉でうまく言えないけれど。Sigur Rosの音楽を好きな人たち。という空気が妖精的にただよっている。時に。アイスランド語が聞こえてきたりも。そのやわらかな、あたたかい、独特の雰囲気に包まれている間、まるでアイスランドにトリップしたような気すらした。幸せだ.....。

アイスランドからやってきた、アイスランド的ハンドクラフトな雰囲気の、手作りTシャツを売ってたり。寒い国独特のあたたかさが、そこここに散らばっている。チリチリしたぬくもり。もうすでに、aminaのライブははじまっていた。いつもSigur Rosのバックを彩るカルテット。だいたいいつも前座もつとめてる。で。はぁ.....。進めるだけ進んでみた。が。真ん中が限界だった。そして。見えない。いつもより、人々の背がさらに高い気がする....。「音」を優先して、ひとまずセンターな場所に陣取る。が。どうか、どうか、全く見えないという状況にだけはなりませんように.....。結局最後まで。背の低さゆえに、悲しい思いをするはめになった。

はじめ。ステージの前にスクリーンがあって。そのまま始まった。そしてバックから透ける光によって映し出されるシルエット。光により幻想的に映し出された姿.....。あぁ....。なんて優雅な。なんて美しい...。Jonsiの弓でレスポールを弾く姿.....。それぞれの巨大なシルエットがゆらめいて。TAKKのintroからGlosolioへの流れ。美しい。まだライブを見るのは2回目だけれど。Sigur RosのライブはCDとはまるで違う。やっ。正確に言うと。ものすごいクオリティーでCDの音を完全再現しているわけなので、CDと違う。というのは間違ってるかもしれない。でも。そのステージが生み出す魔法のようなものによって、CDには含まれていない、もっと大事な、すごいものが立ち上り、特別な存在を創り上げる。密度が違う。生命が与えられてる。

だから。CDで聞いて、うーん....と思う人も、ライブを見ると、それなりに弾き込まれてれてしまうと思うのです。というか逆に、ライブを見せてあげたいと思う。CDで聞く8分は長くても。ライブで聞くと、全ての瞬間がいともなめらかに流れていってしまう。というか。終わって欲しくないもの。それに包まれているその瞬間達が。Aminaのカルテットのほかに。9人のホーン隊がバックにならぶ。もはや。Sigur Rosオーケストラ。それぞれの人々は、曲ごとにあちこちに移動する。なので、ライブ後に自分で曲を聴いたりすると、それぞれの曲が、それぞれのシーンを思い描かせる。個人的には。どうしても、Jonsiが優雅なクリーム色のレスポールを弓で弾き唄う姿と、ピアノを弾きながら唄う姿に目が釘付けになってしまう。1曲1回じゃ足りない感じ...。もっといろいろを見たい。あと、Orriがドラムではなく鉄琴をJonsiと共に弾くシーンが好き。鉄琴のキラキラした音と、かれらの魔法みたいに動く腕と(かすかに見える)、バックに映るキラキラの映像と...。

Orriのドラムは本当にすごい。このドラムのすごさは、どう伝えたらいいのだろう。ものすごく繊細な小さな音も、心臓に響くような迫力のある音も。どういう場合にもとにかく深い。そして強い。伝わってくるです。ドラムの存在って。その曲をつかさどる、心臓だと思うのです。血の流れを躍動させるもの。だから、その曲が活きるかどうかは、ドラマーの心臓(heart)次第だと思うのです。Orriのドラムは。まさにSigur Rosの心臓だと思う。ライブの終わりごろ。アンコールのころにも、ステージの前にスクリーンが下りてきて、またシルエットが映し出される。だけれど、始まりと違うのは、ライトがダイナミックに動くため、映し出される映像はよりダイナミックで。幾重にも重なり動く。怒濤のクライマックスだった。

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